スクールニュース vol.384 編集部より
雑感 月刊スクールアメニティ2019年1月号「学校給食特集」から
今、まさに学校給食は「食育」である。人が生きる上での基本の知育、徳育そして体育の基礎となるものである。様々な経験を通して「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践できる人間を育てることが「食育」である。
近年、学校給食で注目される調理方法が「クックチル」である。「クックチル」とは、加熱調理した食品を短時間で急速冷却して(90分以内に3°C以下)チルド保存し、必要な時に再加熱して食を提供するシステムである。
欧米では、すでに学校給食、病院給食、外食産業などで導入されているシステムでもある。しかしわが国での導入はまだ一般的ではない。その理由が、文部科学省が定めていた「学校給食衛生管理の基準」(4)が障害となっていた。中でも「前日調理を行わない」「調理後の食品の適切な温度管理を行い調理後2時間以内に給食をできるよう努めなければならない」とあったが、同基準第6の雑則の2の中で「2クックチル方式により学校給食を提供する場合には、各教育委員会の責任において、クックチル専用の施設設備の整備、二次汚染防止のための措置、学校給食従事者の研修の実施、衛生管理体制の整備等衛生管理のための必要な措置を講じたうえで実施すること。」とあり、クックチルを採用する上での基準でクックチルを認めながらも、その提供方式(クックチル)を認めない様な矛盾があった。そのため文部科学省、経済産業省で慎重に検討の結果、2017年5月1日付で「原則調理した当日に提供すべきとしている学校給食法に基づく上、クックチル方式は学校給食の調理方法として排除されないこと」と示され、提供に関しては、各教育委員会の判断を委ねることになった。
しかし道が拓かれたと言っても学校栄養士や調理士等皆さんの理解や啓蒙などが必要とともに、安全衛生や施設整備のコストの課題も残されている。子ども達に美味しくない冷めたデリバリー給食を提供するならクックチル方式の給食の導入を期待したい。
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