スクールニュース vol.408
“何をやるか”に必要なことは“どうしてやるのか”(つくし野ビオトーププロジェクト2019年4月)
4月21日、2019年度のつくし野ビオトーププロジェクトは第1回目が日曜日となった。定例活動は毎月第2土曜日に予定されている。そのため、第3週の、しかも日曜日ともなれば本ニュースで取り上げ始めた頃は「どのくらいの参加があるか」と考えていた。集合場所で待っていると人の輪は少しずつ大きくなり、プロジェクトによると20家族以上の72名が集まったという。
屋外活動には嬉しい好天だが、東京はつい数日前までは上着にもう一枚と思っていたはずだ。それがこの日は「暑くてたまらん」。あの穏やかな春の陽光はどこに降っているのだろうか。
年度替りの第1回目、「さぁ、今年は何をしよう?」。運営する小池常雄プロジェクトリーダー(環境カウンセラー)をはじめとするスタッフから、つくし野ビオトーププロジェクトは何をする活動なのか、そして参加する子ども達は何ができるのかが説明される。いわゆるオリエンテーションだ。ここで大切なことは、初めて参加する人達が持っている不安や疑問を取り除くことだろう。
初めて参加する子どもは幼稚園児や小学校低学年が多く、当然ながら保護者も一緒である。プロジェクトは都市に住む子ども達への体験的環境学習活動の提供と、それを通しての学びと成長の支援を目的としている。自然体験という言葉は魅力的に映るが、畑では本当に農業で使う(使っていた)器具や機械を使う。刃もついていて、使い方を誤れば危ない。
また、土ぼこりにまみれながら虫と同じ場所で同じ時間を過ごす。畑だけではない。森や川の活動も、思いもよらない生き物や危険がどこに潜んでいるかわからない。子どもにとって「これ以上やってはいけない」加減を知る機会が身近だった時代もあったが、やはり時代は変わっている。小学校や幼稚園のネットワークである程度のことは知って来るだろうが、疑問や不安を感じながらの人もいるはずだ。初めての参加はおよそ1/3くらいだったろうか。
小池リーダーは、こういう機会はプロジェクトそのものの方向や目的を話すよい機会と説明する。保護者に向けたちょっと硬いけど大切な話も多い。土いじりを始めてしまう子どももいたが、「身近な生き物にも生命があることを感じて、親しみとともに自分の周りの自然や人についても考えるようになってほしい」という言葉は覚えていてほしい。
ちなみに話の内容は、すべての活動ですべての参加者に保険をかけていること(要参加登録)。運営は助成団体からの助成金を活用していること。活動場所は事前にスタッフが確認をしていること。(収穫体験をした)収穫物を持って帰るのは活動後に家庭で話題にしながら食べてほしいため。そして食べることは食育にもつながる…などなど。
季節は春真っ盛り。花粉もそろそろ収まって、畑には綺麗な花を咲かせたナノハナや摘み頃のスティックセニョール。成長を続けるソラマメやタマネギは丈を伸ばして葉を広げている。冬の間も手を入れてきた成果だ。そんな作物に刃を入れて柔らかな場所を切り出す。「収穫するということは植物の生命を奪うこと。そんな生命に支えられて私達は生きていられる」と収穫体験をする子ども達に説明しながら、一緒に包丁を握ってキャベツに刃を入れる小池さん。
今年もまた、自然とともに生きる1年が始まった。
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