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Posted on 2019年6月04火 in スクールニュース

スクールニュース vol.415 編集部より

 

また、学校の子ども達に関わる悲しい事件が起きてしまった。
学校の児童などが巻き込まれる事件としては、本誌としても、あの大阪教育大学附属池田小学校の児童殺傷事件以来の衝撃と悲痛を感じている。学校施設整備に関しても、その後、子ども達の安全安心は最重要課題の一つにもなっていたのに。
今回は、川崎市多摩区で小田急線登戸駅近くのスクールバス停で、登校のためスクールバスを待っていた私立カリタス学園の児童と大人の男性1人が、いきなり背後から切りつけられて殺傷された。いかんせん、このような無差別的な通り魔、テロ行為は防ぎようがない。
犯人像についても、自殺しており、何によってこうした事件を起こしたのか、各界から多くの推測がされているが、本当の目的が何だったのか未だに的確な解明にいたっていないのが現状のようだ。
ちまたの論議では、家庭内、社会からの孤立感、孤独感などからくる深い絶望感であったり、家庭内の差別感などによることが犯行の動機や、引き金となった等々さまざまだ。だれもが、現代社会では、社会の歪みや、人と人との繋がりなどの希薄さから、孤独感、疎外感、焦燥感などを少なからず抱えているのではないだろうか。
だからといって自己中心的な考えにもとづき、残虐かつ冷酷で身勝手な悪行が許されるものではない。無差別殺人の後、拡大自殺をしたからといって、女児と男性の尊い命は戻ってこないし、また、被害にあい影響を受けた多くの子ども達にとって、人生で取り返すことのできない傷を負ってしまった。今後、子ども達などの心のケアには留意しなければならないだろう。
こうした事件が起ると、学校施設の安全安心から学校を完全クローズした方がよいという意見が起こる。これからの学校施設整備のテーマの一つでもある「社会に開かれた学校」「地域に開かれた学校施設」などに逆行する意見も多くなる。しかし、私はこうした考えではなく、ハード面の整備強化より、むしろ地域みんなで登下校から学校内活動までを見守る、地域の人びとによる「見守り隊」などの協力を仰ぐことが重要であると思う。地域と隔絶しても、不審者が侵入する可能性はなくならないのだから。

 

 

過去のスクールニュース → http://www.schoolnews.jp/category/schoolnews/
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