スクールニュース vol.422 編集部より
開設後、約17年を迎える新潟市の「ほっとハウス笹口」。全国的にも他に類を見ない地域ふれあいスクール。
今回の取材は、新潟県三条市、新潟市などを訪れました。その際に若干時間の余裕があったので、前々から訪問したかった新潟市立笹口小学校内に併設されている地域コミュニティ施設「ほっとハウス笹口」を訪ねました。
同施設は、小学校の空き教室を地域に開放する「地域ふれあいスクールモデル事業」として、2002(平成14)年9月に新潟市に初めて開設された地域施設です。その後、新潟市立笹口小学校は校舎老朽化に伴い改築されましたが、改築後(2013年)も同校内に設置され、約17年の歳月が経過、今なお、地域型ふれあいスクールとして幅広く地域の人びとから活用され愛されています。
「ほっとハウス笹口」の開設当初(2002年)は、笹口小学校1階の余裕教室4教室を開放専用エリアとして整備され、室内は畳敷きの部屋や大小の大きさの異なる部屋があり、多目的に利用できるようになっていました。校舎が改築された以降は、同小学校正門左側の平屋1階部分に、学童保育施設と共に「ほっとハウス笹口」も新しくなりました。笹口小学校とは体育館の廊下でつながっています。
現在は、当初の設置目的にしたがって、放課後に子どもたちを見守る「ふれあいスクール」機能と、地域のサークルや団体が活動場所として集う「公民館」機能を併せ持つ施設として、地域の人びとが運営委員会を組織しています。また、施設運営のほか、子どもと大人の料理教室、地域運動会、文化祭などの事業開催、お茶の間(畳敷き)など多様な空間を使用する多彩なサークル活動も行われています。
開設当初は、学校週5日制の受け皿、また、この地域は新潟駅笹口近くの笹口小学校区で「転勤族」も多く、地域の人々のつながりの創出や、子ども達の非行対策など、いくつかの理由が重なって、モデル事業がスタートしたといいます。(チーフコーディネーター 片桐 香さん談)
この施設は、新潟市教育委員会が委託する唯一の「地域ふれあいスクール」として、子ども達はゲームをしたり、漫画を読んだり思い思いの遊びを楽しんでいました。特に当日は近くの児童教育専門学校の生徒さんたちが、授業の一環で子ども達を楽しく遊ばせていた様子が印象に残りました。
同施設は、学校内に一体的に設置されていることもあり、地域の公民館的なイメージで、子どもたちは普段から休み時間、昼休み、放課後など自由に行き来しているという柔軟な施設でした。
「ほっとハウス笹口」の運営は、同運営委員会が主体となり、約40人ほどのボランティアスタッフの皆さんによって運営されています。運営費は、新潟市やコミュニティ協議会から補助金等があるものの賄いはできてはいないとのこと。スタッフに対しても若干の報酬があるとういうことですが、スタッフそれぞれのボランティア意識で支えられているといってもよいようです。
できれば、こうした地域事業を長期に続けさせるには、やはり、ボランティア意識だけではなく、市行政からの報酬があってもよいのではないか、そう思うのは私だけでしょうか。
最近では、「みんなで子育て ほっとカフェ」も開催されており、孤独に子育てしているママさんたちの子育て支援や、乳幼児をもつ育児世代の集いの場、地域とのつながりの場ともなっているとのことです。
ほっとハウスのご利用方法
ほっとハウスには、茶の間・なかよし・キッズの3つの部屋があります。笹口小学校区にお住まいのみなさんに開放しています。会議やサークル活動、お友だちとの集まりにご利用ください。夜間、土日も使用できます。(9:00~21:00)ただし、休館日があります。詳しくはほっとハウスまでお問い合わせください。
〒950-0911 新潟市中央区笹口2番47号
TEL.025-243-6130
●9:00~16:30(土日祝日を除きます)
この施設事業は、全国のコミュニティスクール事業の秋津コミュニティスクールなどと共に文部科学省の研究委嘱事業でもありました。
過去のスクールニュース → http://www.schoolnews.jp/category/schoolnews/
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