スクールニュース vol.436
海城中学高等学校、新理科館建設計画について
1891年、東京都千代田区麹町の地に、海軍予備校として創立された海城学園。“リベラルでフェアな精神を持った「新しい紳士」の育成”を使命に高い知性と情操を持つ人物の育成を行ってきた。1922年からは校地を新宿区大久保に移し、1947年に新制海城中学校、翌1948年に新制海城高等学校を発足した。2006年には既存のRC造の2号館上部に免震層を設け、さらにその上に鉄骨4階建ての校舎を増築。敷地の有効利用を図りながら海城学園の顔とも言える落ち着いた広場空間をつくり出した。この増築計画は、都心における学校建築更新の新しいモデルと言えるだろう。
そして、海城学園は、2019年春から2号館に隣接する場所に海城中学高等学校「新理科館」の建設工事を開始した。新理科館は、長年理科教育に力を入れてきた海城学園が科学的思考力を備えた「新しい紳士」の育成を目指し、○学び・交流・発信が融合する新しい理科館、○学園の新しい「顔」としての新理科館、○環境教材やものづくりを体験できる教材校舎、という3つのコンセプトの下、計画した新しい学び舎である。物理・化学・生物・地学、それぞれに専用実験室を設け、各科の授業に適した学習環境を整備する。また、建築的にも様々な環境配慮手法等を導入することで、その内容や仕組み、効果を「見える化」して、生徒にとってわかりやすく、実体験を通し?て理解て?きる環境教育教材となる校舎を目指すとしている。
施設規模は、鉄骨造、地下鉄筋コンクリート造地上3階建(一部4階)地下1階で、建築面積が約1,160㎡、延床面積3,380㎡。1階に物理実験室、地学実験室、階段教室、2階に生物実験室、共同実験室、3階に化学実験室、共同実験室、講義室を整備する。外観・内観に積極的に木材を活用し、屋上には温室を設けた上で、多様な緑化方法を用いた見事な屋上緑化を図る計画である。新理科棟は、まさに海城学園の理科教育を実践する場所として、そして海城学園の新たなシンボルとなると言えるだろう。
この春から始まった工事は、2019年11月までに既存校舎を解体、同12月から2021年5月まで建設工事を行い、2021年の9月より供用開始する予定だ。設計及び監理は、久米設計が担当する。
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