スクールニュース vol.478 つくし野ビオトーププロジェクト2020年3月
当たり前を懐かしむ
これからの1~2週間が…といわれておよそ1か月。出勤して帰宅する一日は、マスクを欠かさないようにしたほかに大きな変化はない。電車の混雑は、あまり感じられない時間や区間もあったが、この数日変わりつつある。ただ、ちょっとしたときに感じる、見えないものに備えるという不安、一体いつまでという見通しへの懸念は確実にストレスとなっている。40を超えた成人でこれだけイライラが募ってくる状況からは、「自分は元気」と思っている子どもが行き場のないストレスを抱えるのも頷ける(その大きさはちょっと想像がつかないけれど)。
ただ、今社会を脅かしているのは命にかかわる問題で、しかも他者を巻き込みかねないことでもある。取り返しのつかないニュースも流れるようになってきた。せめて収束を願って真面目に向き合っている人が悲しむことのない状況になってほしいと思う。
話は変わる。ある晴れた土曜日の東京都町田市つくし野。駅前から通りを南に進む。午後でも人通りは以前から少ない時間帯、車に注意しながらつくし野セントラルパークに近いつくし野ビオトーププロジェクトの専用畑に向かう。
自粛要請の空気はプロジェクトのような大規模とはいいがたい活動にも影響を及ぼしているし、そもそもこの日はあらかじめ内容を告知して実施される定例活動の日ではない。ただ、2月の活動で今年は暖冬ゆえに作物の成長が早いと教えられた。葉物野菜に薹(トウ)が立って畑がみんな菜の花畑になるのもきれいではあるけれど正直もったいない。運動を兼ねて様子を見にいってみれば、そこには畑の手入れをしている活動している小池さんの姿が…。
そんなシナリオはできすぎだが、3月21日の午後、つくし野ビオトーププロジェクトは「特別に特別な活動その2」を7日に続いて行った。自分で収穫した野菜を食べることが、身も心も豊かに、そして健康にするのではという思いから小池常雄プロジェクトリーダー(環境カウンセラー)が考えた、「屋外で、密集することなく、少人数が近接して話すことのない」活動である。
定時に集まって一斉に活動するのではなく、一定の時間内に来てくださいという方法で、収穫体験と野菜についてのお話を参加者に提供する。こういうときは普段見ないトウ立ちの野菜はむしろ絶好の教材。実が熟す前に食べていることを実感できる。
収穫できたのはキャベツやダイコン(複数種)、コマツナ・ホウレンソウなどで、既に花が咲き始めたエンドウマメやソラマメの成長なども確認。エンドウの花をサヤエンドウとして収穫できるのは、予想によるとあと2週間。4月の定例活動の前になる。
参加者がまるで打ち合わせでもしているかのように時間を開けてやってくるのは不思議。一度に10人も集まらない活動は気が付けば10分前になっていた。都市に住む子どもに自然体験は非日常なのかと感じてきたが、定着した活動そのものは日常になる。早く日常が戻ってほしいと改めて思った。
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