スクールニュース vol.481
ヤマハ発動機スポーツ振興財団
2019年度「障害者スポーツ調査研究報告書」を発行
公益財団法人ヤマハ発動機スポーツ振興財団は、昨年度の障害者スポーツ調査研究報告書を発行した。2019年度は、これまでに取り組んできた地域現場の実態調査や大学調査に加えて、新しく国内外の大型障害者スポーツ競技大会に出場経験を持ったトップアスリート達のスポーツキャリアに注目、また、障害者スポーツをユニバーサル教材として活用した体験事業なども掲載している。
報告書のタイトルは、『障害者スポーツを取巻く社会的環境に関する調査研究-地域現場、障害者スポーツ選手キャリア、大学に着目して-』である。
報告書は、全5章で構成されている。1章「地域現場における実態調査」では、3年前に全国障害者スポーツ大会の開催実績のある岩手県を対象として、その後の障害者スポーツの普及促進に取り組む各団体の活動、障害当事者の状況等についての調査。2章「障害者スポーツ選手のキャリア調査」では、障害者スポーツにおけるトップアスリート達の個人史について様々な視点からヒアリングしている。3章「大学の先進的取組み調査」では、障害学生や障害者スポーツ支援に先進的な取組みを行っている大阪体育大学と金沢星稜大学へのインタビューを収録。4章「シンポジウム2020抄録集」では、2020年2月に開催したシンポジウムの報告内容や、パネルディスカッションについて掲載している。最後の5章「チャレンジ!ユニ★スポ(体験会ケーススタディ)」は、静岡県内の小中学生約1100人を対象に、ボッチャを“健常者と障害者の相互理解促進”や“共生社会の実現”に貢献するユニバーサルデザインなスポーツ教材として活用した体験事業について紹介した。
執筆者である日本福祉大学スポーツ科学部の藤田紀昭教授は、本報告書は、パラリンピックの目的である、障害のある子どもから高齢者までがいつでもスポーツが楽しめる共生社会を創ること、その点に軸足を置いた調査報告であり、岩手県での障害者スポーツ推進の取り組み調査と、スポーツキャリア調査からは、障害者スポーツ振興には何が必要なのかのヒントがあり、また、大学の先進的事例には、地域の障害者スポーツ推進拠点の可能性を探る手掛かりがあると、発刊にあたりコメントを寄せている。
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