スクールニュース vol.506 編集部より
愛知県瀬戸市を訪ねて
先日、月刊スクールアメニティで掲載予定の、小中施設一体型学校「瀬戸市立にじの丘学園」を取材しました。
瀬戸市と言えば多くの皆さんがご存じの通り「瀬戸物(せともの)」の名称で知られる日本の代表的な陶磁器の生産地でもあります。瀬戸焼・瀬戸物は、日本の陶磁器の高級品でもある「有田」、「備前」、「九谷」などと比較すると、一般的で庶民が使用する陶磁器のイメージが強い庶民的な陶磁器とも思えますが、同市赤津地区の瀬戸焼の陶祖と言われる加藤四郎左衛門景正に続き、江戸時代後期から150年以上続いており、その一つ「加藤作助」一門の作品などは伝統工芸として知られ、芸術的伝統的な陶磁器などもあります。
この加藤一門に由来する旧山繁商店の旧建物群は国登録文化財です。旧山繁商店は、瀬戸市「北新谷」と呼ばれる瀬戸川北岸の丘陵地に所在する陶磁器卸問屋で、同建物群は、明治22年に主屋を挟んで南側に2階建ての離れと塀、大正3年には事業拡大に伴い西側旧道沿いに旧事務所を建造、三代目加藤繁太郎の代で前倉庫、中倉庫が建造されました。また、昭和22年には東側新道(池田通り)沿いに事務所、昭和25年に奥倉庫が建造され、同商店の広大な敷地内には明治から昭和の建築様式を残した建物が存在しており、瀬戸市における明治から昭和期の同陶磁器卸問屋の繁栄と流通を語る貴重な文化財となっています。
瀬戸市は、陶磁器文化を色濃く残すせとものの街ですが、残念ながら現在の同市人口は、増加から減少に向かう局面を迎えており、今後も減少が続くと予想されています。しかし、瀬戸市出身者の若者がUターンされたり、ものづくりなどの創作者が移り住み、地域や街の活性化、地域起こしの活動をしているようです。今後に期待したいです。
今回取材の小中施設一体型学校「瀬戸市立にじの丘学園」の詳しい記事は、月刊スクールアメニティ2020年9月号に掲載予定です。ご期待ください。
過去のスクールニュース → http://www.schoolnews.jp/category/schoolnew
登録解除は上記サイト上部の「メルマガ登録解除」を選択してください。