スクールニュース vol.522
東京女子医科大学 新校舎棟「彌生記念教育棟」と「巴研究教育棟」について
2020年4月。東京女子医科大学の河田町キャンパスに、新校舎棟2棟が完成した。この2棟は、旧一号館跡地に建てられた新校舎が「彌生記念教育棟」、旧看護学部校舎跡地に建設された校舎が「巴研究教育棟」と名付けられた。2020年の春から医学部と看護学部の協働教育の舞台となっている。
新校舎の基本コンセプトは、「異なるものを開いてつなぐ」である。同大学の建学の精神である“自立”と、理念である“至誠と愛”を基に、教育・研究・診療の連携が可能な施設づくりが形になったものだ。 医学部と看護学部、教室間の垣根、学生と教職員、異なる空間と異なる心をつなぐ、協働教育の場として位置づけられた。両学部が、新校舎で交流できるようになることが新校舎整備の最大のポイントである。
「彌生記念教育棟」は、85年間もの間、大学関係者や地域に親しまれてきた旧一号館の庇部分のタイルや、丸みのある開口部など、印象的な外観デザインを受け継いでいる。また、周囲は、シンボルツリーであるヒマラヤスギを生かした豊かな緑の環境を連続させた“グリーンエッジ”として整備し、学生、教職員、地域の人にとっても心休まる環境づくりを目指した。1階には、吉岡禰生記念室、収容冊数13,000冊を有する図書館と自由な学習空間アカデミックコモンズなどが整備された。2階、3階には医学・看護学両学部の講義室や、テュートリアル室、小グループ学習室、カフェテリアなどで構成される学生ゾーンとしての機能を持つ。4階、5階は両学部の教職員ゾーンとして、研究デスクや実験エリアを整備した。オープン形式とすることで、情報の共有や集約化が可能である。
1階に設けられている吉岡禰生記念室について。大学の創設者である吉岡禰生は、「至誠と愛に生きる」を掲げ、女子医学教育の発展に力を注いだ人物として知られる。大学史料室は、大学の創設者である吉岡彌生・荒太夫妻の事績を始め、教員や卒業生など、同学に関する歴史資料を収集、調査研究するため、1966年に中央校舎内に開設されたのが始まりである。1970年には、吉岡彌生記念室を併設して収集した資料の一部の展示公開を開始した。今般、彌生記念教育棟に移転したものである。現在は、新型コロナウィルス感染症対策のため、臨時閉室しているが、彌生が愛用していた被布や聴診器・注射器などの医療器具、揮毫、書翰、肖像写真等々、貴重な資料が展示されている。
一方の巴研究教育棟は、主に実験や研究を行う施設で、彌生記念教育棟に入りきらない機能を中心にまとめられている。学生利用は地下1階の実習室で、その他各階の構成は1階に実験室、臨床系研究室、総研・共用実験室など。2階に臨床系研究室、 総研・共用実験室)など。3階・4階に実験動物研究所関連、事務室・会議室等が入る。
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