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Posted on 2021年3月02火 in スクールニュース

スクールニュース vol.544

 

文部科学省 昨年12月10日「学校施設づくりのバリアフリー状況調査の結果」を公表

文部科学省より、「学校施設づくりのバリアフリー状況調査の結果」が公表された。
同調査結果では、28,156校の全学校数のうち、車いすの使用者が使える多目的トイレを設けているのは65.2%で、18,156校であったことが分かった。また、学校施設のバリアフリー化の一方の環境整備でもあるエレベーター設置率は27.1%で7,634校に止まっていた。この結果から2012年に提唱され推進されてきた「インクルーシブ教育」の施設面での環境改善が進んでいるとは言えないのではないか。インクルーシブ教育とは障害のある子どもと障害のない子どもが共に教育を受ける事で、「共生社会」の実現に貢献しようという考え方である。
文部科学省は、今回の調査結果を踏まえ2025年度末までの5カ年で緊急的な整備を行う目標をかかげている。それによると、2025年度末までに多目的トイレを体育館を含めて全体の95%に設けるとともに、すべての避難所指定校には設けることにした。エレベーターについても、校内の移動で配慮が必要な児童生徒が通学する全校に整備する。段差解消についても整備目標として、全学校の段差解消に向けることにしている。こうした整備に向け、学校設置者に対して文部科学省は財政面の支援する取り組みをするとの考えだ。
バリアフリー法改正(2020年5月)では、2021年4月以降に公立小中学校を一定規模以上の新増改築を行う場合、バリアフリー基準に適合することが義務付けられ、既存の施設についても、バリアフリー基準の適合に向けた努力義務が課せられる。

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学校内の多目的トイレ

最後にもう1点、今回の調査結果やその他から少々気になっていることがある。それは、学校内に設置されている多目的トイレは、学校内での名称は大方「多目的トイレ」が一般的なような気がする。しかし、国土交通省では、この多目的トイレをビル、店舗などに設けるバリアフリー設計のガイドラインを改め(3月)、「バリアフリートイレ」に変えることを促すという。国土交通省の調査では、ビル、店舗、街に設置されている多目的トイレの名称は「多機能」「みんな」「多目的」など多様な名称を使用する場合があり、本来の目的で使用すべきトイレを他の目的で使用する人があったり、本来トイレを使用すべき人が長時間待たされるなど、目的外で長時間使用するケースが見られ、ハンデキャップの方が利用できなかったりするケースもあるという。そのため名称を「バリアフリートイレ」とするという案があるようだ。この様な名称を変更しなければ理解できない人びとは、人としてのモラルの問題ではないか。学校施設も変えなければならないのか。

詳細は月刊スクールアメニティ420号(3月号)で掲載。

 

 

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