スクールニュース vol.560
編集部より
今回のスクールニュースは、少々苦言を言わせていただきます。
先日、水泳の東京オリンピック競泳代表に選ばれた池江 璃花子選手に「東京オリンピック辞退を求める」SNSの声があがったのは多くのメディアで報道されましたので皆さんもよくご存じのことと思います。
私自身も、東京オリンピック/パラリンピックをこのまま強行開催することについては、わが国のコロナウィルス感染状況や、多くの変異型ウイルスが拡大している現状で、果たして本当に東京オリンピックを開催してもよいものかと疑問を持っている一人です。多くの世論調査でも、否定的意見が多数を占めています。
大病を克服して復活した池江選手をおそらく、東京オリンピック開催運営の美談としての機運を高めるシンボルにしようとする思惑や意図が見え隠れすることへの、開催反対者などからの批判があることも含んでいることではないかと考えます。
池江選手は、順風満帆にアスリートとして成長してきた10代後半の時に、大病によって突然に人生の目標を奪われながらも、長期にわたり過酷であったろう闘病生活に耐え、病を克服し、東京オリンピックの競泳代表に選ばれたことは、まさにヒーローでもあります。そんな池江選手に「東京オリンピックを語るな」ということはあまりにも酷なことではないでしょうか。確かにこうした時期でもあるので、池江選手だけに限らず、微妙な時期、つまり国民の中に開催に否定的な意見がある状況で、慎重な発言をしてほしいとする意見があるのも事実です。私自身も開催の是非を聞かれれば反対の一人だと思います。
しかし、池江選手も、当初は2024年のパリオリンピックを目指していると公言していましたが、今回の自国開催の東京オリンピック競泳代表に大病を乗り越えて実現したことは、20歳の若いアスリートの高揚感は計り知れないでしょう。その発言を封じるような心ない意見や、個人を非難することはあってはならないことです。「言論の自由」を声高に叫び、SNSなどを利用して個人を攻撃するなど以ての外だと思います。
SNSの手軽さや自由さで、多様な言論が生まれ、社会を動かす力にもなるという人もいます。しかし、ネット社会の手軽さといって、人や物などを誹謗中傷していいわけは絶対ありません。以前テレビ番組で、自殺者まで出すに至っているというのを目にしました。誰にでも手軽に発信することができるSNSですが、その自由さゆえに危険性も大であることを改めて考えさせられました。
過去のスクールニュース → http://www.schoolnews.jp/category/schoolnews/
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