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Posted on 2022年2月15火 in スクールニュース

スクールニュース vol.618

 

令和3年度 文教施設研究講演会開催

2022年2月9日(木)、令和3年度 文教施設研究講演会(主催:国立教育政策研究所)が開催された。コロナ禍の影響から、昨年に引き続きオンラインでの開催となった。

今回のテーマは「新しい時代の創造的な学習空間づくり-海外と日本の事例から-」である。個別最適な学び、協働的な学び、またGIGAスクール構想による1人1台端末環境整備など、今、学校における学びが大きく変化している。そして、子ども達が学ぶ学習空間には、多様な学習形態に対応した空間づくりが求められている。講演会では、学校施設を研究し続ける4名の建築の専門家が講演。海外や国内の事例を通じて、学習形態の変化に対応した学習空間づくりのポイントなどを紹介した。
冒頭、国立教育政策研究所所長の浅田和伸氏の挨拶に続き、基調講演を行ったのは、長らく学校建築の研究を続け、今も全国多くの学校建築の計画に携わっている長澤悟氏(教育環境研究所所長/東洋大学名誉教授)。「創造的な学びの場の実現に向けて-新しい時代の学びを実現する学校施設の在り方について(中間報告)を踏まえて」と題し、変化する現在の学校教育の動向と課題に触れ、同中間報告の内容について、数多くの学校事例を例にあげながら具体的に解説された。
続いての赤松佳珠子氏(シーラカンスアンドアソシエイツ代表取締役/法政大学デザイン工学部教授)は「新しい時代の創造的な学習空間づくり」を講演。赤松氏は、これまでに設計された国内事例の学習空間について紹介。教室やワークスペース、アルコーブなど学校の中の様々な空間における子ども達の活動の様子を解説。また、様々な家具の活用によって、柔軟に使える学習空間ができることや、内部空間と外部空間との関係で、多様な施設活用が生まれ親自然的な活動ができることなどについて話された。
休憩を挟んで次の講演は垣野義典氏(東京理科大学理工学部建築学科准教授)による「北欧、オランダにおける5つの学校モデルを横断してみる学習空間」。垣野氏が、研究員として滞在されたフィンランド、オランダ、そしてスウェーデンの詳細にわたる学校事例調査から、各国の異なる学習空間を紹介した。日本も含め、各国での学習空間の違いと、それによって子ども達の行動が異なってくること。オランダ、北欧の教室の壁の使い方などから、日本における“主体的・対話的で深い学び”実践のためのヒントが示された大変貴重な講演内容であった。
最後の講演は、立花美緒氏(東京工業大学環境・社会工学院建築学系助教)による「エイジェンシーを支える教育環境とコモンコア-デンマークの学校を中心に-」である。不確定要素の多いこれからの時代において、エイジェンシー(不安定、不確実、複雑、曖昧な中を進む力、学習者が身の周りや世界に対してポジティブな影響や意思変革を起こすために目標を設定し、責任ある行動をとる力)を育むため、これを実現し共有できる学校建築とはどのようなものか、デンマークの学校建築事例を通して、具体的な学習環境から読み解いていく講演であった。
基調講演及び3つの講演終了後、参加者と講演者によるいくつかの質疑応答が行われた。最後に齋藤福栄氏(国立教育政策研究所文教施設研究センター長)による閉会挨拶をもって今年度の講演会は終了した。
それぞれの講演者が紹介する事例は、国内・海外、多岐にわたる貴重なものであった。今回、オンライン上では500名近い参加者があったようで、多くの参加者が講演に熱心に耳を傾けていたことと思う。会場でこそ感じられる熱気ある質疑応答含め、来年度はぜひ通常開催で貴重な講演が聞けることを期待したい。

 

 

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