スクールニュース vol.629
編集部 「月刊スクールアメニティ」のこれまでの系譜から今後学校施設に想う
「今、学校がおもしろい」のキャッチで発刊以来、「月刊スクールアメニティ」も今年3月号で432号となり、わが国の学校施設のあるべき姿を一途に追い続け、まもなく40年になります。
わが国の学校施設及び学校建築の領域で戦後の大きな転換期は、音楽室、家庭科室、理科室などの固定した使用目的をもたない学習空間であった、いわゆる「オープンスペース・ワークスペース・多目的スペース」などの空間(スペース)が設けられたことに始まるのではないかと言えます。
「オープンスクール」と学校空間でいうオープンスペースなどは、イギリス・アメリカなどで1960年後半から1970年代にかけ、主に公立学校を中心に実践された、より柔軟で開放的な個別、小集団など多様な学習実践を可能にするためオープン教育を実践する空間としての「オープンスクール」で、柔軟性、使い勝手の良い新しい学習空間「オープンスペース」が設けられたことからです。
わが国においては、一昨年秋に惜しまれつつ亡くなった故長倉康彦先生を代表とする建築計画諸先生などにより、わが国のオープンスクール運動は急速に進み、その後、1984年に文部省(現文部科学省)の「多目的スペース」の補助制度が開始され、より柔軟性のある学習空間を保有する学校や学校施設が普及することになりました。
また、学校の耐震化も促進される中で、2011年3月11日の東日本大震災を契機に、学校施設の耐震化と防災機能の充実化に拍車がかけられてきました。一方では、児童生徒の減少、少子化傾向は著しく進む中で学校の統廃合を含めた、各地で学校の再編計画が推進され、廃校問題もクローズアップされてきています。小中一貫校・義務教育学校などと、また施設自体の効率性を高める学校施設の複合化も注目され、さらにGIGAスクール構想も推進され、情報教育も大幅に進展してきています。
最近では、学校施設もエネルギー負荷を軽減するため、学校の自己表現として、エネルギー問題に対応すべく、カーボンニュートラルを含めた省エネルギー化、施設自体の創エネルギー、蓄エネルギーなどを実現させると伴に、学校施設自体の「ゼロエネルギー化」を推進することが急務となってきました。勿論、まだまだコロナ感染などへの安全安心も万全でなくてはなりません。
こうしたことを踏まえ、本誌は学校施設の高度化に伴う「ゼロエネルギー化」を推進する編集ページを設けるなど、新たな編集計画を進めていく所存です。
またまた「学校施設がおもしろくなってきた!!」その期を迎えています。今後も「月刊スクールアメニティ」を通して、皆様とともに学校施設のあり方を考えていきたいと思っています。
過去のスクールニュース → http://www.schoolnews.jp/category/schoolnews/
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