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Posted on 2022年7月01金 in スクールニュース

スクールニュース Vol.651

 

月刊スクールアメニティ編集部 地元の伝統産業を、子ども達が発信。児童による「ならにこ漆器会社」昨年開業

日本気象協会から平年より19日早い梅雨開け宣言が出た翌日の6月28日〜29日、信州へ取材に出かけた。長野地方も平年より19日早く梅雨開け宣言が出されたこともあって、松本、塩尻方面の気温は28日が36.2℃、29日が37.1℃、長野市方面は28日が34.9℃、29日が34℃という暑さを記録した。
猛暑の中、長野市を起点に、中信の塩尻市(28日)、北信の中野市(29日)の学校の取材、また、長野市内の予てからの企業読者でもあり弊誌を支援してくれている企業((株)角藤)を訪問した。
今回取材した両市の学校とも、学校教育に地域色を取り入れた特色あるつくりとなっている。
塩尻市の学校は、長野県内4校目の義務教育学校として新たに開校した塩尻市立楢川小中学校(義務教育学校)である。木曽楢川小学校と楢川中学校の統合によるが、同校が所在する塩尻市木曽平沢地区は、近くに木曽街道(中山道)奈良井宿があり、木曽を代表する伝統工芸の木曽漆器のまちである。漆塗り仕上げや、漆器類の卸し売り、小売りなどを生業とする地域の人びとが多く居住する木曽路を代表するまちのひとつでもある。

木曽平沢集落のまち並み。木曽漆工のまち、木曽平沢郷は、奈良井川が大きく湾曲する谷あいの集落。檜細工、漆器などを生業とするまちでもある。当初は「木曽物」と総称されたが、「平沢塗物」と呼ばれる伝統漆器

木曽平沢集落のまち並み。木曽漆工のまち、木曽平沢郷は、奈良井川が大きく湾曲する谷あいの集落。檜細工、漆器などを生業とするまちでもある。当初は「木曽物」と総称されたが、「平沢塗物」と呼ばれる伝統漆器

こうした、伝統文化を色濃く残す地域に位置してきた木曽楢川小学校(現:楢川小中学校(義務教育学校))は、漆業を生業とする家庭の児童が多く在籍しており、こうしたことを踏まえて、同校児童が運営する漆器類の製造、販売をする本格的な模擬会社「ならにこ漆器会社」を設立した。
「ならにこ漆器会社」は、社長、副社長などを同校児童から選任。地元漆器の普及促進と製造、販売を行う会社で、コロナ禍の影響によって本格的活動は難しかったが、昨年末以降は、木曽街道の駅「木曽ならかわ」で、児童達がワゴン販売活動を行って、キャリア学習の実践の場となっているという。

児童の漆塗り作業実習。父母、祖父母、親族が漆器に関わる児童が多い学校でもある(写真:楢川小中学校)

児童の漆塗り作業実習。父母、祖父母、親族が漆器に関わる児童が多い学校でもある(写真:楢川小中学校)

楢川小中学校(義務教育学校)の児童生徒が製作販売する木曽塗り箸。製作児童のメッセージカード、木曽塗りの話冊誌。これらを販売するための「ならにこ漆器会社」児童の会社も開業。地域のイベント及び道の駅にて、児童が直接販売(写真:楢川小中学校)

楢川小中学校(義務教育学校)の児童生徒が製作販売する木曽塗り箸。製作児童のメッセージカード、木曽塗りの話冊誌。これらを販売するための「ならにこ漆器会社」児童の会社も開業。地域のイベント及び道の駅にて、児童が直接販売(写真:楢川小中学校)

最後に、余談であるが、28日の夜間、「牛に引かれて善光寺詣り」の伝説もある通り、不信心者の私も七年後の善光寺御開帳にも無事来拝できるよう詣でることができた。

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善光寺(長野)の夜景。七年に一度のご開帳・回向柱「えこうばしら」夜間もライトアップ。回向柱の梵字が、古代インド仏法の宇宙感をあまねく照らす。回向柱に触れることは、縁結びができる。仏様と結ばれお願いする

 

 

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