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Posted on 2022年8月09火 in スクールニュース

スクールニュース vol.659

東京都葛飾区 水泳指導、学校外プールの活用に移行へ

東京都・葛飾区教育委員会は、今後の区立小学校・中学校の水泳指導についての実施計画について公表している。今後、全面的に学校外プールの活用に移行していく考えだ。
近年、豪雨や猛暑などの異常気象により学校体育における計画的な水泳指導が難しくなってきている。東京都葛飾区は、地勢的に荒川、中川、江戸川などの川に囲まれた水と緑が豊かなまちであり、かつては河川を活用した水泳指導も行ってきたが、異常気象による計画的な水泳指導の難しさ、児童生徒の熱中症対策、また、水質管理や施設整備の観点からも負担が大きいといった点があることから、今後の水泳指導のあり方を検討し、2020(令和2)年12月に、「今後の水泳指導の実施方法に関する方針」を策定した。
同方針では、小学校は改築校や学校プールの大規模改修が必要となった学校及び総合スポーツセンターや民間の屋内温水プール(「学校外プール」)活用の意向のある学校から、学校外プールの活用へと移行していき、できるだけ早期にすべての小学校が屋内温水プールでの水泳指導ができるようにしていく考え。学級担任制でない中学校では、水泳指導を2単位時間続ける調整が必要なことから、各校の状況を踏まえて対応するとのことだ。同区は、この方針の下、2022(令和4)年度から、改築校において方針に基づく学校外プールを活用した水泳指導を始めている。

学校外プールを活用した水泳指導の方針のメリットとして、〇天候に左右されない計画的な水泳指導ができること、〇1年の中で計画的に水泳指導ができること、〇教員の指導を補助する複数の専門のインストラクターを活用した水泳指導ができること、〇外部からの視線の遮断や騒音への配慮等の対応が不要になること、等があり、水泳指導の充実につながるとしている。また、水泳指導を学校外プールで行うことは、改築・改修を迎えた学校施設整備において、プールの設置・維持管理費の削減に貢献する点もメリットとしてあげることができる。
一方で、学校外プールを活用した水泳指導において、デメリットと考えられる事項、そしてその対応策としては、次の事項をあげている。〇移動時間がかかる点(対応策:これまで通り2単位時間続けての実施とともに、必要に応じてバス移動を行い全体の移動時間を減らす)、〇移動時の安全確保(対応策:乗降場所の安全確保含めたバス移動、誘導員の配置)、〇災害時などの水利の調整(対応策:改築にあたってはマンホールトイレや防災井戸の設置。消防署と協議の上、雨水ピットなどを消防水利として活用)、〇夏休み中の水泳指導(対応策:夏季休業時期の利用は、学校の状況を踏まえて事業者と調整)、など。
受入体制の整備に関して。今後、活用が見込める学校外プール施設としては、区立施設である水元総合スポーツセンターや奥戸総合スポーツセンター、民間のスポーツクラブやスイミングスクール10施設程度を活用していく方向で、新しく区立の温水プールの整備についても検討を進めている。

過去のスクールニュース → http://www.schoolnews.jp/category/schoolnews/
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