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Posted on 2022年12月20火 in スクールニュース

東京都 令和4年度「公共建築の日」記念 東京都建築技術発表会 開催

スクールニュース vol.688

去る11月22日(火)、都議会議事堂1階都民ホールにおいて「令和4年度 東京都建築技術発表会」が開催された。「多摩動物公園キリン舎整備工事」等々、8つの講演に加えて、建築家 藤森照信氏による特別記念講演も開催されるなど、多様な内容の講演プログラムに、参加者は熱心に耳を傾けていた。
午後の部最初は、近年の学校施設整備において、注目の学校であり、本誌でも2023年に掲載する予定の都立立川国際中等教育学校附属小学校の講演、「小中一貫教育校の整備について~都立立川国際中等教育学校附属小学校 新築工事~」である。

会場風景

東京都教育委員会は、都立高校改革推進計画に基づき、都立校の継続的な改革に取り組む中で定めている3つの目標の内の1つに“生徒一人ひとりの能力を最大限に伸ばす学校づくりの推進”をあげている。この目標を実現させるための取り組みとして、国際色豊かな学校の拡充をあげており、同校は、公立学校はじめてとなる小中高一貫教育校の整備として、小学1年生から英語教育を通じて世界で活躍できる人材育成のための取組みとなっている。これらを踏まえ、立川国際中等教育学校は国際教育に力を入れる中高一貫校として平成20年に開校、附属小学校は道を隔てたグラウンド部分に施設を建設、渡り廊下で結び小中高一貫教育校として整備された。
設計上、特に工夫した点として、3つの点があげられた。
〇国際的な人材の育成について
交流を通じて新しい価値を創造する力を育てること、多様な価値観を受容し、国際社会に参画する力を育てることを教育方針としていることから、国内国外、小学生、中等部、教員も含め交流と自由な発想を促し、多様性を尊重できる小学校を目指して計画された。複合的機能を持つ「ラーニングコモンズ」を設置し、自由な発想が生まれ、探求的学習、発表・表現の場としても活用できる学習空間を整備。また、「ラーニングコモンズ」を渡り廊下のそばに設けることで、中等部と小学生の交流拠点としての役割を果たすこともねらいとした。高学年教室の普通教室の間には多目的室を設け、それらの境界線を可動間仕切りとすることで、2学級合同の授業等、「多様な授業展開を可能とする普通教室」も特徴である。
〇小中高一貫教育校について
12年間同じ施設、コミュニティで過ごすことから、生活が単調にならないよう、子ども達が変化を感じることができるような計画が考えられた。具体的には、「学年に応じて変化する普通教室」である。南面に配置されることの多い普通教室を、同校では学年ごとに教室の向きを変化させることで、教室から見る風景に変化をもたせている。北面配置の際の採光が不十分な課題に対しては、ハイサイドライトを設けて自然光を取り入れている。さらに、3方面をガラスとし植栽の景観にも工夫した「四季の変化を感じることのできる食堂」も整備した。

3面をガラス面にして四季を感じる食堂(立川国際中等教育学校附属小学校)

〇設備設計に関して
エネルギー面や学校運営面において利用者に支障がないように配慮した設計となっている。吹抜け大空間のラーニングコモンズは、省エネに考慮し、空間全体ではなく生徒の活動の場となる居住域のみの、床のふく射空調を採用。さらに、屋上部分の有効活用のためハイサイドライトの屋根部分に太陽光パネルを設置。発電効率の最大化のため、傾斜角30度とした。太陽光パネルは、耐風強度やパネル裏の配線施工スペースを確保しながらも、意匠性に配慮し屋根と一体となって見えるように設置されている。

過去のスクールニュース → http://www.schoolnews.jp/category/schoolnews/
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