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Posted on 2015年1月23金 in スクールニュース

編集部から 体験型環境教育の現場 つくし野ビオトーププロジェクト1月

 

1月17日、晴天のもと東京都町田市のつくし野小学校でシーズンⅨ、10回目となるつくし野ビオトーププロジェクトがありました。テーマは「小鳥を庭に招待しよう!」。鳥が巣をつくって新しい命を育むための巣箱をつくり、自宅に設置する。「自然の摂理」の学習です。
この日は、午前中から小学校に集合です。小学校の協力もあって、ビオトーププロジェクトでは、小学校の校地をぐるりと囲む樹木に鳥の巣箱を設置しています。巣箱はシジュウカラの大きさに合わせてつくられていて、3月から5月にかけて、つがいのシジュウカラが巣をつくり、卵を産んで、子どもが巣立っていきます。午前中は、この巣箱を開けて鳥が使っていたか ‐使っていれば巣が残されています‐ を確認しました。昨年は10の巣箱のうち4件で巣を確認できましたが、今年は8の巣箱のうち6件で営巣の跡を確認できました。中には写真のようにここまでやるのかと思える巣もありました。ここで、営巣した巣箱としなかった巣箱で、その理由を考えます。しかし、答えは常に正しいとは限りません。昨年は営巣したけれど今年はしなかった、あるいはその逆が起きるからです。もちろん、毎年営巣が行われる巣箱もあります。こうして、子どもたちは自然との接し方を体験します。
巣箱は、一旦解散をしたお昼の休みに中の清掃、修理をして元の位置に戻します。入っていなかった巣箱は、向きや高さを少し変えます。今年も既に営巣場所を求めてシジュウカラが飛び交っています。1カ所でも多くで営巣が行われ、子どもたちが巣立ってくれればと思います。

巣箱の中に巣はあるのか、それとも…。ワクワクしながら開けてみる

巣箱の中に巣はあるのか、それとも…。ワクワクしながら開けてみる

コケを丁寧に積み上げてつくられたシジュウカラの巣

コケを丁寧に積み上げてつくられたシジュウカラの巣

午後からは巣箱づくりです。食物連鎖をはじめ、自然の仕組みを大事にするビオトーププロジェクト。鳥の巣箱や餌台をおくことは、野生動物への餌付けになり自然に逆らってしまわないか? とも思えます。ところが、かつてと異なりシジュウカラが巣をつくりにくくなってしまったことを代表の小池常雄さん(環境カウンセラー/建築士)は子どもたちに説明します。シジュウカラは本来、大木の洞に巣をつくる傾向があるがそのような樹木が住宅地にはないこと、カラスなどの天敵から自らと子どもたちを守るため、シジュウカラは人間が感じられるところでも巣をつくること。それでなくとも寒さの厳しい冬は命を落とす危険性が非常に高いこと、そのため、えこひいきにならない範囲での手助けをしていると説明します。そのため餌台は冬だけ、春になればやめることを小池さんは強調します。
巣箱づくりに参加したのは、多くが低学年児童とその保護者だったので、家族での作業となりました。既に経験している家族もあって「今年は入った」「ウチは来なかった、(つけた位置が)低かったかな」などの会話も聞かれました。スギ板から部材を切り出し、鳥が入る穴を開け、ネジでとめる。ノコギリを初めて持つ子どもたちを後ろから支えながら一緒に切る。説明書を見ながらどこにネジをとめていくか相談する。わからなくなったら、スタッフの井上さん、高見さん、平嶋さんに相談する。黙々と時間が経過していきました。
およそ2時間後、全家族の巣箱が完成すると、最後に小池さんは「もしかしたら小鳥は入らないかもしれない。でも、来年は入ってくれるかもしれない。思い通りにいくものではないので、広い心を持ってほしい」と話し、記念撮影をして終了しました。つまり、今回のプログラムはこの日だけでなく、春まで続くのです。
春、子どもたちが巣箱から飛び立っていく様子は小池さんもまだ見たことがないそうです。巣立ちを目にできる家族がいるのか、新緑の季節に報告があることを待ちたいと思います。

お父さんもお母さんもおじいちゃんも頑張る

お父さんもお母さんもおじいちゃんも頑張る

最後にみんなで巣箱を背負って

最後にみんなで巣箱を背負って

 

つくし野ビオトーププロジェクトのホームページに活動の詳細が記されています。

活動報告 2014年度 第10回「小鳥を庭に招待しよう!」(1月26日追記)

 

過去のスクールニュース → http://www.schoolnews.jp/category/schoolnews/

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