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Posted on 2017年9月26火 in スクールニュース

スクールニュース vol.294 再びのまなびや

 

東京都奥多摩町で、廃校となった町立中学校の校舎を活用した日本語学校の設置計画が進められている。10月3日の開校式を前にした9月25日、施設内覧会の開かれた学校を訪問した。

旧奥多摩町立古里中学校。10月からは奥多摩日本語学校となる

旧奥多摩町立古里中学校。10月からは奥多摩日本語学校となる

まちの発展に寄与する学校の誕生
活用するのは、平成27(2015)年3月に閉校となった旧古里(こり)中学校の校舎。RC造3階建てで耐震補強の他内装木質化も行われており、1フロアに6教室が並ぶ一部片廊下型の校舎である。奥多摩町では昨年2月、地域の振興発展につながる企画提案を募集し、株式会社JELLYFISH提案の「奥多摩日本語学校」を採択した。河村文夫町長は、学校を活かす点と地域に将来にわたって続いていく点が最も伝わってきた提案だったと選考を振り返る。

左から河村文夫奥多摩町長、田中翔株式会社JELLYFISH代表取締役、原島貞夫奥多摩日本語学校校長

左から河村文夫奥多摩町長、田中翔株式会社JELLYFISH代表取締役、原島貞夫奥多摩日本語学校校長

10月より授業が始まる奥多摩日本語学校は、自国の大学でITを学んできた学生などがおよそ1年半をかけて日本語とITスキルを習得し、卒業後の就職を目指す全寮制の学校。学びと働きをシームレスにつなげる独自のカリキュラムの中では、ITスキルを同社開発事業部が手掛ける実際の受託開発事業で養い、報酬を得ながら学習する。このため、同社代表取締役の田中翔氏は「進学目的でないところが最大の特長。国内の技術者不足を視野に入れた取組」と提案理由を説明、学校設置にとどまらない企業誘致やシステム開発はPCさえあれば可能といえる特性を踏まえた奥多摩ITエンジニアタウン構想に向けて「ここからがスタート」と続ける。

既存施設を改修して寮を整備
開校とともに入学する1期生はベトナム・フィリピン・インドネシア出身の10名で、将来的にはスタッフを含めて200名規模の学校にしたいと田中代表。まずは校舎内を改修した寮で生活するが、奥多摩町では若者定住対策に重点課題として取り組んでいることからも「規模が大きくなれば宿泊施設の整備も考えたい。町に住んでほしい」と河村町長も今後に期待する。学校施設は、寮(シャワー室含む)を除けばほぼ既存施設をそのまま活用。主に1階が開発事業部のオフィス、2階が寮やスタッフルームなどで、3階を日本語学校の教室としてスタートする。新たにつくられた寮は床や個室の間仕切りなどが木材で仕上げられた木の香る住まい。また、今後も必要に応じて整備を行っていくという。

新たに整備された学生寮

新たに整備された学生寮

奥多摩日本語学校の今後について、「地域の皆さんと顔なじみになり、地域になじんでほしい」と河村町長。地元出身の原島貞夫校長は「全員に笑顔で卒業してもらうこと。そのために地域と一緒になることに力を注いでいきたい」と抱負を口にする。地域の注目も高く、記者発表後に行われた一般向け内覧会では、町の人びとが開始時間を待ってましたとばかりに足を踏み入れていた。

内覧会に訪れる地域の人びと

内覧会に訪れる地域の人びと

 

過去のスクールニュース → http://www.schoolnews.jp/category/schoolnews/
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