スクールニュース vol.324 編集部から
水鳥も沈むことがあるらしい(つくし野ビオトーププロジェクトシーズンⅫ 1月)
1年の初めに行われるつくし野ビオトーププロジェクトは、1日がかりで野鳥を学ぶ「庭に小鳥を招待しよう!」プロジェクト。一番の目的は小鳥の巣箱を自分(達)でつくり、自宅(など)に設置して、(主に)シジュウカラによる春の営巣から巣立ちを観察しようというもの。
小池常雄プロジェクトリーダー(環境カウンセラー)によると、12年続けているプログラムなので、すべて設置され続けていればつくし野には300くらいの巣箱があるのではないかという。
つくるプロジェクトは午後。まずは、1月20日午前、町田市立つくし野小学校に集合して、校地内の樹木にプロジェクトが取付けている巣箱を観察する。1年のうち外すのはこのときだけなので、前の春に子育てをしていれば巣がそのまま残されている。日ごろ目にする機会の少ないものを自分の目で確かめることができるが、一度自宅に帰ることになるため例年午後ほどは集まらない。
ところが今年は多い。児童の数だけならば午前も午後も同じくらいではなかったか。
今年は巣箱の老朽化や取付けていた樹木の伐採があり、校地内の巣箱は正門前をはじめとする9か所。これらを1つひとつ外し、中を確認し、修理の必要がなければ再設置する。
この繰り返しも、巣箱を開ける前、子ども達はお約束のカウントダウンで盛り上がる。それによってお兄ちゃんお姉ちゃんに連れてこられた小さな子ども達もだんだん巣箱の中に興味を示すようになってくる。
営巣跡は7か所にあり、5か所がシジュウカラで2か所がスズメ。また、子育てに成功した例だけでなく、かえらなかった卵や子育てに失敗した例が残っていた巣もあった。必ず成功するわけでもないことも知る機会となっている。
午後はいよいよ同校の視聴覚室で巣箱づくり。例年、小池リーダーによる野鳥の営巣事情が説明されるが、この日は加えて檜山綾香さん(一般財団法人公園財団)がゲストティーチャーとなった。
檜山さんの話は「鳥の羽」がテーマで、そのうち1つが「なぜ水鳥は浮いていることができるのか?」。表題の「水鳥が沈むことがあるらしい」も檜山さんの話からで、ある条件下で本当に起きるという。
伝えることを伝えたのちは、全員で巣箱をひたすらにつくり続ける。一枚の板を切分け、組合わせ、ビスで固定する。老若男女問わず、できるところに取り掛かり、難しくなればスタッフが手を差し出す。
完成せずに未完成のまま持ち帰った人はいないという良き伝統は今年も継続。つくし野には、今年もおよそ20戸の新築住宅が無償で提供されることになった(ただし、シジュウカラ向けです)。
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