Pages Menu
Categories Menu

Posted on 2019年8月23金 in スクールニュース

スクールニュース vol.432 つくし野ビオトーププロジェクト2019年7月

 

身近な生命を通して感じる自然

つくし野ビオトーププロジェクトが1年で最も慌ただしいのが7月だ。
始めから2度の定例活動を組んでいるうえに、そのうち一方は、全プログラム中最も大掛かりで最も盛り上がる「カブトムシ相撲つくし野場所」を開催するためだ。そして、この2回を通して私達の周りにはたくさんの生命があること、地球には私達と一緒にたくさんの生き物が生きていることを子ども達に伝えている。
まずは第二土曜日の13日。里山を舞台に行う「森で学ぼう! 森で遊ぼう!!」である。地域の中心である「つくし野」駅から大人の足でおよそ5分、雑木林の中を駆け回る自然体験活動だ。スタッフは、一本ブランコやハンモックなどをその場の環境にあわせてつくり、ワークショップの藍の生葉でたたき染めを行うスペースを用意した。

一本ブランコは時間がたつにつれて待つ子の列が長くなる

一本ブランコは時間がたつにつれて待つ子の列が長くなる

それでも半数の子ども達が一目散にかけ出す先は、周辺に立つ木々の幹。つまり、昆虫採集だ。ねらいはカブトムシやクワガタムシで、昼間でも毎年数匹は見つかる。きちんと世話をすることを小池リーダーに約束して持ち帰る子どもは、2週間後のカブトムシ相撲に連れてくることもある。

お父さんの力(背丈)を借りて、昆虫を追い込む

お父さんの力(背丈)を借りて、昆虫を追い込む

カブトムシの飼育方法を説明するのは顧問の高見元久さん

カブトムシの飼育方法を説明するのは顧問の高見元久さん

この雑木林で小池常雄プロジェクトリーダー(環境カウンセラー)が話すのは、森の豊かな環境について。6月の活動でプールに生きるヤゴを700匹(700の生命)も救出したが、逆にいえばプールには1~2種のヤゴしかいなかった。一方でこの日、子どもたちは目にした生き物だけでカブトムシやクワガタのほか、カナブンやカタツムリ、クロアゲハも飛んでいた。この種類の多さが自然の、森の姿なのだと話し、その森と人はどのようにかかわってきたかを説明した。
そして、7月最後の土曜日は毎年恒例で14回目を数える「カブトムシ相撲つくし野場所」。子ども達はこの日のために1年をかけて育ててきたマイカブトムシで参戦。プロジェクトが試行錯誤を繰り返し数年がかりでつくり上げた土俵で自慢のカブトムシを戦わせる。

今年は一本投げの取組が多かった

今年は一本投げの取組が多かった

カブトムシは見た目の格好良さももちろんだが、1年をかけて育てるところがポイントで、夏に卵として産み落とされた後は幼虫で冬を越し、春の終わりから初夏にかけて蛹となり、(東京では)梅雨が終わるころ、成虫がその姿を現す。この1年で繰り返される命が、子ども達が命を学ぶ上である意味分かりやすいというのだ。
取組を前に気のはやる子ども達に向かって、小池リーダーはカブトムシも私達と同じ生命であることを繰り返し説明する。勝抜きトーナメントでは、カブトムシのお尻をコーヒーのマドラーでつついて中央の蜜場を独り占め(ホールド)するか、相手を投げ飛ばすよう促す。面白いもので、年長の男子が大きなカブトムシで参戦すれば勝つとは限らない。ホールド勝ちを狙うならばパワーよりもスピード(と空腹感!?)が必要で、思い通りに動かないからとつつきすぎればやる気をなくす(飛んで逃げる)。ベスト4に勝ち上がったうちの2人は女の子で、チャンピオンは幼稚園に通う男の子。操る(支配する)のではなく、一緒につきあえた(ともに生きる)ことがいい結果につながっているようにみえた。プロジェクトのブログでは、名勝負として語られそうな決勝戦の様子を動画で公開している。

 

 

過去のスクールニュース → http://www.schoolnews.jp/category/schoolnews/
登録解除は上記サイト上部の「メルマガ登録解除」を選択してください