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Posted on 2019年11月15金 in スクールニュース

スクールニュース Vol.453 編集部より

 

公立高等学校の正式名称についてチョット語ってみる

一般的に公立の高等学校の正式名称は、その学校の設置者である都道府県と、あまり多くはないが市町村が設置する高等学校に大別される。これ以外の高等学校としては、国が設置する国立高等学校、学校法人などが設置者の私立高等学校などである。また、私立学校では普通に見られる中高一貫校(もちろん高等学校単独校もある)や、最近では公立の中等教育学校(中高一貫校)なども設置されてきている。

わが国の公立高等学校の正式名称において、学校設置者である都道府県立が名称に付かない(例、〇〇県立〇〇高等学校など)道県が3つある。それは、北海道、宮城県、長野県だ。この三道県は、調べていただくとわかるが、例えば、北海道が設置者である高等学校の正式名称が、北海道立〇〇高等学校ではなく、北海道〇〇高等学校が正式名称になっている。宮城県、長野県も同様である。
ちなみに、東京都が設置する高等学校は、東京都立〇〇高等学校(1校のみであるが、東京都から千代田区へ設置者移管された九段中等教育学校がある)が正式名称となっている。
高等学校の設置は、学校教育法に定められているが、高等学校の名称についての規定はない。名称(学校名)については、都道府県など設置者の条例に基づいたものである、学校教育法の第三条に次の様に規定されている。

第三条 公立の高等学校は、都道府県が設置するものとする。
2.政令で定める基準に該当する市町村(市町村の組合を含む。以下同じ。)は、高等学校を設置できるものとする。

とあり、高等学校の名称についての法的規定はない。 よって、公立高等学校の名称は都道府県などの設置者の条例によるものだ。
そこで、まず北海道の公立高等学校が何故北海道立〇〇高等学校を正式名称とせずに、北海道〇〇高等学校としているか少々調べてみた。
2019年4月1日現在の北海道教育委員会調べによると、道立高等学校は196校(中等教育学校1校含む)で、市町村立学校が32校(中等教育学校1校含む)である。
この全ての道立高等学校の正式名称は北海道〇〇高等学校と表記され、北海道立は入らない。
市町村立の高等学校は、政令指定都市の札幌市の高等学校が、市立札幌開成中等教育学校を含め、他7校全てに市立札幌〇〇高等学校が正式名称となっており、その他、函館市の市立函館高等学校が正式名称となっている。
しかし、他の市町村立高等学校では、道立高等学校同様に北海道滝川西高等学校(滝川市立)、北海道岩見沢緑陵高等学校(岩見沢市立)、北海道南富良野高等学校(南富良野町立)、知名度が高く、国内留学生徒募集に力を入れる北海道おといねっぷ美術工芸高等学校(音威子府村)など、北海道の次に設置地域などが入る正式名称になっている。札幌市立、函館市立の高等学校を除き、北海道の道市町村立高等学校では、北海道の後ろに市町村名を入れるのがルールとなっているようだ。
1950年に発行された「北海道教育広報」には、「公立高等学校形態並びに校名についての方針」において、北海道内の公立高等学校が校名を付ける際に守るべき8項目が記されている中に「大小、順位、優劣、男女別等を表示する用語は使用しない」という項目が記されているという。北海道市町村立の公立高等学校の校名はこの伝統で決められているのではないかと思える。

今後、宮城県、長野県についても調べてみたい。

 

 

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