スクールニュース vol.469 つくし野ビオトーププロジェクト2020年1月
○○デビューの子ども達
毎年、1月のつくし野ビオトーププロジェクトは屋外の午前、屋内の午後と2度に分けて1日がかりで定例活動を行う。ところが今年の活動を予定していた1月18日は、前日までの悪天候が回復せずに午前の活動を延期。午後の活動のみ行った。
1月のプロジェクトは「庭に小鳥を招待しよう!」。野鳥の巣箱をつくって自宅に設置。春の子育ての場を提供して、(運がよければ)巣立ちを見届ける取組だ。町田市立つくし野小学校の視聴覚室に集まった参加者は巣箱やえさ台などの手作りに挑戦する。つくる巣箱は樹に開いた穴や住宅の隙間などに巣をつくる樹洞性のシジュウカラなどが用いるもので、ここ数年はそれにスズメも加えている。
材料は1枚のスギ板。プロジェクトリーダーの小池常雄さんは、いつも環境カウンセラーと紹介しているけれど、それ以前から、そして今も現役の一級建築士。巣箱やエサ台など10種類近くの設計図を用意して、参加者はつくりたいものを選択する。四角のほか菱形などデザインを選べるようになっているほか、コウモリやイモリ、フクロウ用など、少しずつ種類も増えてきた(フクロウ用は1枚では無理)。
プロジェクトの中でも毎年1月に行われているこの内容は、野鳥の営巣を観察するという自然体験の機会を自分でつくる活動といえる。そして午前中の活動はその観察の一例だ。しかし、プロジェクトの参加者が低年齢化したため、図工の授業などで経験しているはずののこぎりやネジ回しなど道具を使うことが初めてなのではないかという子どもが多くなっている。自然体験ではないけれど、体験する機会の提供になっていることに気がついた。
作業は保護者だけでなくスタッフも見守りながら行われたので、怪我することもなくスムーズに進んだ。午後には雨(雪)は止んでいたが、寒さが厳しい上に午前中は中止という条件のため参加者も少なかったことが影響していると考えられる。しかし、ずっとみていて、小さな子ども達は道具を一度持つとするべき(と自分なりに判断している)ことが終わるまで持ったまま、なかなか放さない。
この活動のように集まって作業をしているときにはその間の道具の持ち方などで、知らず知らずのうちに自分や周囲に危険を招きかねないことがあるのではないか、これまでとは別の気の配り方が必要かもしれないと感じた。
そして1週間後の1月25日、つくし野小学校の校地周囲に取り付けている巣箱の観察と再設置が行われた。シジュウカラやスズメなど身近な野鳥の生態を知る機会であり、また前週に作成、持ち帰った巣箱を取り付けるとどういうことがあるのかを学ぶ機会でもある。
昨年の台風によって壊れてしまったものもあり、改めて自然の力を感じた今年は、観察できた10か所のうち5か所で巣を確認できた。ただし、巣づくりの途中で断念してしまったものや子育てを放棄せざるを得なかったのか、卵が孵っていないものなど、いろいろな状態があった。これは観察の内容としてはいろいろ知ることができたが決してよいことばかりが起きるのではないと、小池リーダーは1つひとつの状況とともに子ども達に説明する。
そしてこの日は昨年初めて設置した大型のスズメ用巣箱を開ける初めての日でもある(正直にいいます。今年はこれが目当てです)。シジュウカラは縄張り意識があるからそれぞれに巣箱が必要だけれども、スズメにはないので集合住宅も使ってくれるのではないか? というのが設置した理由の1つ。設置から1年も経つとその間の風雨で色合いが周囲とあってくるが、取り付け直後は「これは何?」と思うくらい目立っていた。 「3・2・1」の掛け声とともに扉を開けると、巣が2つ。でもよくみると、1つ(一番上)は巣づくりの途中で諦めたことがわかる。中で子育てをするには室内の高さが足りなかったようだ。営巣跡は真ん中のスペースでみられ、スズメの巣が1つ。使ってくれることは分かったので、次は、集合住宅らしく複数の営巣がみられるか。また、来年に向けた楽しみができた。
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