スクールニュース vol.470 つくし野ビオトーププロジェクト2020年2月
正しいのは人か自然か
野鳥と巣箱をめぐる活動から1週おいた2月8日、つくし野ビオトーププロジェクトは「春を探して~里山ハイキング」を行った。立春、ウグイスが鳴き始めるとされているけれども、曇りがちだったり晴れても風が吹き続けたりとまだ寒い(前日はとても寒かった)。ただ、今年は天候に恵まれ風もそれほど強くない、冬の山歩きには絶好の1日となった(後でそうではなかったことが分かる)。
コースは、町田市立つくし野小学校の東門を出発。つくしの駅前を通って近くの雑木林から横浜市に入り長津田駅付近で進路を国道246号に揃える。揃えるけれど歩くのは起伏に富んだ里山とその周囲で、登って降りてと繰り返しながら再びつくし野に戻ってくるおよそ5キロメートル。雑木林の中や畑の間を抜けるため、つくし野が開発される前(住宅街が形成される前)はどうなっていたのかを想像しながら歩くことができると小池常雄プロジェクトリーダーはスタート前に活動の目的を説明する。そして、いろいろな自然の姿を知ってもらいたいと自然観察イラストビンゴを子ども達に配布して、里山巡りは始まった。
今年もまた各所で違いを感じた山歩き。耕作をやめた途端に浸食を広げる竹の生命力の強さは際立っていたが、ハイライトとなる変化はスタート直後にあった。7月の活動場所として14年にわたって訪れていた雑木林を公園とする工事が進められていたのである。
多くの樹木は伐られ、下草も一掃。明るく、見通しもよくなりこれからは市民の森として親しまれる場所になっていくそうだが、昆虫採集などは一切禁止されてしまう。地域には放ったらかしの荒れ放題と思っていた人もいたかもしれないが、プロジェクトの参加者にとっては親しみのあった自然の1つ。「カブトムシのいたあの木はどれだ?」なんて話しながら「コンクリートで固めてしまうことを考えればいいけれど…」と、言葉の節々から残念さも感じられる。足元の起伏も全部つくり直されて、今までどこから入っていたかわからないくらい変わっているようにみえた。
ところでここ数回、寒さが厳しいと書いていたが、それは自分自身の加齢による主観に過ぎなかったことがゴールのプロジェクト専用畑で判明した。作物の成長が早いのだ。秋にタネを蒔いた野菜は3月や4月の活動でお試し体験として収穫してもらうことが目的の1つになっている。そのはずだったのに、ブロッコリーは花が咲く寸前、ハクサイやキャベツもお店に並べていい大きさと、今収穫しないとむしろダメになってしまうほどに成長している。
このところは台風つながりで自然の力や変化をお伝えしてきたけれども、自然と向き合っているとその変化や違いはあらゆるところから感じることができると学ばされた1日になった。
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