スクールニュース Vol.494
今こそ体験からの学びを(つくし野ビオトーププロジェクト2020年6月)
四季や暦で動いていた私たちの生活が一変してしまった。感染症を気にしているうちにもう6月。衣替えであり、1年の折り返しを迎えて学校もようやく始まった…誰も望んでいなかったのだから始めることができるようになったというべきか。先日伺ったある学校では、今年度だけで考えれば、夏休みを短縮して授業の進度を1.3倍に早めてもカリキュラムを終えるのは難しいという。このような話を聞くと日々の学びを積み重ねることがどれだけ大切だったか、身に染みる。同時に、ちょっとの躓きがその後に大きく響くことも容易に想像がつく。児童生徒本人や学校はもちろんだが、保護者もこれまで以上に子どもの学びに目をかけてほしいと思う。
さて、速さでいえば、6月6日のつくし野ビオトーププロジェクトの定例活動もスピード感のある回だったと思う。東京も緊急事態宣言は解除されたが、参加者による混雑を避けるために2班に分けて行ったことと、夕方から雨が予想されたためでもある。
プロジェクトはソラマメなどの収穫に絞られた。例年、水泳の授業を控えた小学校がプールの水を交換する前にヤゴを救出し、トンボへの羽化を観察する。学校のカリキュラムも活用したこの季節ならではというプロジェクトが展開されてきたが、今年は小学校の事情を踏まえ活動内容が変更されることとなった。
決まった以上、大切なことは、今できることに全力で取組むことである。プロジェクトは3月以降畑での活動が続いている。そこで行われているのは大きく収穫と種まきだ。植物(作物)に生きるサイクルがあることを繰り返しで体験する一方、種類により違いがあることも体験している。例えばこの日収穫したソラマメは根こそぎ抜いてからサヤを取る。実ができれば茎や根は枯れてしまうからだ(プロジェクトではこれらを堆肥化している)。その一方、リーフレタスは根を残す。こうすることで脇から再び芽が出て収穫できるまでに育つ。タマネギはいうまでもない。そしてタマネギやリーフレタスは花の咲く前が獲り頃だが、ソラマメは花が咲いた後に実ができる。
植えるときも同じでソラマメやサヤインゲンは土に穴を掘ってマメを埋めるが、サツマイモは苗を横に植える。同じ「植える」でも、植えるものも植え方も違う。そこで「なぜ」に気づけばしめたもの。
体験して知ることが次の疑問を生み、その答えを知りたいと望むことが次の学びにつながる。収穫物がその日の食卓に並べば復習だ。感染症対策を踏まえて行われているため、言葉(説明)や活動の時間は少なくなっているかもしれないが、それを補って余りあるのが体験ではないかと感じている。
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