スクールニュース vol.530
ドルトン東京学園が環境配慮型のZEB・STEAM校舎増築を発表
「自由と協働」という『ドルトンプラン(米国の教育者ヘレン・パーカーストが提唱した学習者中心の教育法)』の実践の場として、2019年4月に東京・調布市に開校したドルトン東京学園中等部・高等部。同校は、自分の学びの設計をサポートする「アサインメント」、自分で決めたテーマを計画的に追求する「ラボラトリー」、生徒主体の活動を通じて協働する力を育む異学年コミュニティ「ハウス」といった独自の取り組みによって、一人ひとりが自律的な学習者であるアクティブラーナーへの成長を目標としている。
同校が、今回増築する新校舎は、STEAM(Science, Technology, Engineering, Art and Mathematics)教育を実現する校舎(2,700㎡)である。2021年に着工し、2022年9月に竣工する予定だ。同校舎は、SDGsに配慮した計画によって、国土交通省令和2年度第1回サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)に採択された。省CO2技術を応用することで、基準建物に比べ36.2%の省CO2化が期待できるとのことだ。先導事業として適切と評価されたのは、既存の校舎を含めたZEB(Net Zero Energy Building:年間の一次エネルギー消費量収支をゼロとすることを目指した建築物)スクールを目指した多様な省CO2技術の採用と、学園・大学・設計者の連携による学習環境の評価ツール開発や環境学習への活用計画などで、意欲的な提案であるとの評価を受けている。具体的には、回遊型ダブルスキンやTABS(躯体蓄熱放射空調)などの、新たな取組みの効果検証結果や環境学習への取組み成果が、情報発信され、波及、普及につながることを期待できる、というものだ。
同STEAM校舎の施設は、1階を「クラフト・ラボラトリー」、3階を「サイエンス・ラボラトリー」として、学習活動の基盤となる中間層の2階に「ライブラリー」を配置することで、『ドルトンプラン』の中核をなす「学びの設計、学びの探求、学びの発表」の好循環をつくっていく。また、各階の中心には、協働・共創の核となる「クラフトセンター」、「ライブラリーホール」、「サイエンスセンター」を計画。これらは、学習やイベントに応じて、連結したり、分割したりして使用することが可能で、教科の垣根を越えた取組みや、多様な学習空間を講じることができるものだ。中心部から、学習・授業・教材を見渡すことのできる透明性の高いプランとすることで、アイデアや互いの学習が生徒に常に新しい刺激をもたらすクリエイティブな学習環境をつくっていくことをねらいとしている。また、「ライブラリー」は、中心から外周部に向けて、大人数から少人数、そして個人へとメディアを利用した学習に適した環境をゾーニングし、学校図書館らしいにぎわい、活気ある空間を目指す。
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