スクールニュース vol.555
横浜市・小中学校65校への再生可能エネルギー等導入事業の実施事業者を東京ガス(株)に選定
「Zero Carbon Yokohama」の実現に向けて、2050年までに市役所全体で消費するすべての電力を再生可能エネルギーに転換する横浜市。
同市は、今回、市内小中学校65校を対象に、再エネを地産地消し、平常時の温室効果ガス排出を抑制すると同時に、非常時には地域防災拠点等での防災用電源としても活用することを目的とした、「屋根貸し自家消費型スキームによる太陽光発電設備・蓄電池の導入事業(PPA事業)」について、実施事業者を公募型プロポーザル方式によって選定。東京ガス株式会社を受託候補者とした。
受託候補者となった東京ガス株式会社は、①導入する蓄電池の容量・出力:平均20kWh・約16kW、②市内中小企業への工事発注割合:75%以上、③横浜市の特性を生かした独自提案:自己託送で100%地産地消であること。主に、上記の3点において他の提案よりも優れていたとして選定された。
東京ガス株式会社の主な提案内容は次の通り。
- 設備導入仕様~学校の電力使用特性を踏まえた最大限自家消費の実現~
今回、建て替え予定がなく、現在太陽光発電設備と蓄電池が無い小中学校65校を対象に、学校での電力使用特性を踏まえ、平均で太陽光発電設備は約60kW、蓄電池は約20kWhを導入する。晴れている昼間は、発電電力を学校で使用するとともに、余剰分は蓄電池に充電する。夜間や雨天時等の発電をしていない時間帯は、蓄電池の電力を使用し、最大限自家消費する。
同事業によって、学校1校あたりのCO2排出量約2割の削減、事業全体で年間1,700t-CO2の削減を見込む。これは、杉の木のCO2吸収量に換算すると約12万本に相当。
- 地域防災拠点における非常時利用~大容量蓄電池の導入~
非常時など、通常の系統が停電の場合にも、晴れている昼間は太陽光設備から直接供給するとともに、余剰分は蓄電池に充電し、夜間等は蓄電池から電力を供給する。
蓄電池は、大容量、高出力のため、パソコンや防災行政用無線、携帯電話の充電等に加えて、教室等の照明が72時間以上使用可能となる。晴天が続けば、長期間の給電も可能。
- 横浜市の特性を生かした独自提案~全国初となる公共施設の太陽光発電による自己託送~
大都市である横浜市は再エネ設備を市内に大量設置することは難しいことから、限られた量しかつくることができない。この限られた再エネを最大限地産地消していくことが、市内のゼロカーボン達成には重要である。同事業では、発電電力の余剰分について、自己託送制度(電力会社の送配電網を使用して、自らが発電した電気を別の場所に立地する自施設に送電する制度)を活用し、発電した再エネを他の市内公共施設で使用する100%地産地消を目指す。公共施設に設置した太陽光発電設備による再エネを、自己託送を活用し地産地消する取組は全国初の試みである。
また、東京ガス株式会社は、これまで横浜市立の小中学校において実施してきた「食」や「防災」などの出前授業に「再生可能エネルギー」のテーマを追加し、設備の発電量をタブレット等で確認できるシステムなども導入して学校における環境教育に資する取組も実現していく。
令和3年4月に事業協定を締結し、令和3年度から令和4年度まで、詳細調査・導入工事を行い、令和4年3月以降に電力供給を開始する予定だ。
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