スクールニュース vol.576
安平町 令和5年4月に義務教育学校を新校舎で開校
7月16日、北海道安平町が義務教育学校設置に関する記者発表をオンラインも交えて行った。
設置されるのは既存の早来小学校と早来中学校を再編する義務教育学校で、校名はこれから検討される。平成30(2018)年9月の北海道胆振東部地震で大きな被害を受けた安平町は、特に早来中学校が校舎のみならず地盤も被害を受けて使用できなくなり、生徒は現在も仮設校舎で学んでいる。
復旧に向けた検討を敷地から行わなければならない中、同町は、小学校に隣接する土地を取得して小学校と中学校の一体型校舎を建設し、義務教育学校とすることを決断した。開校は令和5(2023)年の予定である。
新校舎は、教育環境計画を株式会社教育環境研究所、建築設計を株式会社アトリエブンク、ICT環境設計をチームラボ株式会社が担当し、この7月から工事が始まる。来年10月完成予定で、令和5年1月から現在の早来小学校と早来中学校が使用、4月の義務教育学校開校というスケジュールになっている。
義務教育学校設置の背景には、震災復旧(中学校)と老朽化対策(小学校)という物理的な側面にとどまらず、特色あるあびら教育プランの実行との両輪で、新しい学校を未来に向けた復興のシンボルとするねらいがある。それを安平町の魅力として子育て世代や若年層の移住・定住につなげ、“将来にわたって子どもの声が地域に響き、若者・子育て世代で賑わうまち”づくりにつなげたいと安平町の及川秀一郎町長は話す。
新しい学校のコンセプトである「自分が“世界”と出会う場所」は、地域住民だけでなく児童生徒も参画した「新しい学校を考える会」でつくられた。そして地域とのつながりの重要性、単なる復旧ではないことの2点も踏まえて8つの目標を設定し、設計が始まった。
新校舎は、児童生徒と一般(地域)それぞれの玄関から入った先の開放エリア「みんなの図書室」を学校の中心に、学校で使わない時間帯(日中含む)を地域でも使えるアリーナや特別教室が囲むように共用エリアとして配置されている。9学年の教室など学校専用エリアはその先に配置され、開放エリアと学校専用エリアが共用エリアを挟む構成である。
構造は地域の木材も活用した木・鉄骨・鉄筋コンクリートの混構造で、それぞれのエリアに設定されるセキュリティラインにICTを活用、明快で使いやすい学校と地域の共創空間になることを目指すという。
記者会見の様子は7月23日現在、YouTubeで配信されている。また、安平町はこの学校再建プロジェクトで地域再生計画の認定を受け、ふるさと納税・企業版ふるさと納税による支援も募集している。
(画像はすべて安平町教育委員会提供)
※7月26日追記しました。
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