スクールニュース vol.583
畑で積み重ねる自然体験(つくし野ビオトーププロジェクト2021年7月)
スポーツにかかわるみなさんには申し訳ないが、
1.新型コロナウイルス デルタ株(第5波)
2.大本営発表と疑いたくなるリーダーの言葉
3.運営への不安と不信が競技を上回ったオリンピック
4.いざ始まればトップニュースはメダルの数になったweb、TVなどメディアの「同じ」ニュース
5.年々激しくなる酷暑と大雨・長雨
と、「五輪」でなく「五忍」になってしまった2021年の夏は、昨年以上に振り返りたくない夏になりそうだ。そしてその影響をまともに受けているのが、地に足をつけた活動をしている1つひとつの現場だと思う。
つくし野ビオローププロジェクトは7月に、8月の定例活動を前倒しで実施した。東京で上記3~5が猛威を振るう少し前、17日(土)の午後である。不安定な天候から抜け出して一気に暑くなり始めたこの日は、専用畑を照り付ける強い陽ざしでぶら下げているカメラが触れなくなるくらい「熱い」日だ。
プログラムはジャガイモの収穫。このちょっと前(5月半ば)に植えたサツマイモは、今や「この畑の主役はオレ」と言わんばかりに葉を広げている。ジャガイモを植えたのはもう少し前(3月半ば)で、今やすべての栄養が土の下でイモに蓄えられているために地上部分は見る影もない。土の上にわずかに残る茎や葉はヨレヨレだ。
さてこのジャガイモ、食べればおいしく、育てるのも決して難しくない(病気に強い)など、作物としてはとても優秀。唯一といっていい注意点が「毒がある」ところがあること(いや、ホントに)! などの話が小池常雄プロジェクトリーダーから集まった28名の子ども達に伝えられる(土からイモが顔を出さないように注意すれば、収穫適期を逃すことのないそのタフさも利点だと思う)。
ウォーミングアップで、子どもはミニトマト、保護者はサヤインゲンを収穫した後、一緒になってメインイベントとなるジャガイモの収穫が始まった。事前の話によれば1つのタネイモに20個のジャガイモが実る。どこでも掘ればイモが出てくるように思えるが、実際にそんな感じになった。
例年7月は、それまでの畑やプールで得る単一の生き物を通した「自然の一面」の体験から、それらが複雑に入り混じった里山に活動の場所を移す。そして、これまでの自分の身の回りとの違いを感じてもらう体験活動が展開されていた。正確にいえばその代替は前回だが、今回も「今できる」畑の活動が今年のプログラムとなった。カメラが熱くなるのを珍しく感じたのも、毎年この時期は木陰にいたからだ。
自主的な活動として展開されているからこそ、伝えたいことを伝えきれないスタッフのやりきれなさは察するに余りある。「コロナ禍が複数年に及ぶ今、ふさわしい年齢の時に経験しておくべき活動が実施困難になっている」とプロジェクトでも話す。一方で、活動は「食」にかかわるものが多いため、その日の夕食が活動の延長、追体験になっていることをブログから窺えるのが数少ない救いの1つ。
自然体験に限らない。今できることだけでは最早限界があると言わざるを得ない。やらなければならないことをさせてあげられないならば、「次代に引き継ぐ」ものとは一体何のことなのか。
8月26日追記:今回の写真のうち、1枚目と2枚目は、7月10日に実施された特別活動で撮影させていただいたものでした。当初定例活動が予定されていましたが、前日までの天候などから一度(10日朝)延期となりました。しかしその後天候が急激に回復し、作物の成長具合も踏まえてミニトマトやサヤインゲンなどの収穫体験が行われました。
以上、関係の皆様にお詫びして訂正します。
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