スクールニュース vol.604
編集部取材記 北と西の高等特別支援学校2校を訪問する機会を得て想う
◯青森県立八戸高等特別支援学校(八戸市)
◯兵庫県立西神戸高等特別支援学校(神戸市)
両校とも、知的障がい特別支援学校の高等部生徒増加に対応するため、社会自立を促す就労に向けた専門的な職業教育を中心とした高等特別支援学校である。
【青森県立八戸高等特別支援学校】
同校は、青森県立八戸第二高等養護学校の児童生徒増加に伴う教室不足を解消するため、高等部を分離独立させることを目的に、閉校となった旧青森県立八戸南高等学校を、高等特別支援学校へ転用改修して、新たに開校した特別支援学校。
この八戸高等特別支援学校を取材のため、11月25日、東京駅を朝7時32分発の東北新幹線に乗車し八戸駅へ。八戸線へ乗り換え、同高等支援学校のある「鮫駅」に11時03分に着いた。同校の最寄り駅が八戸線の鮫駅とわかっていたが、珍しい駅名に「ギョッ」としたのも事実である(洒落ではないです)。
私は、乗鉄が一つの趣味でもあったので、もう数十年以前、在来線で八戸駅から八戸線の久慈駅(岩手県)からさらに、三陸鉄道リアス線で宮古まで旅した記憶があるが、その当時も鉄道に乗車しながら八戸市の鮫駅という珍しい駅に記憶がなかった。そこで、この鮫駅という駅名を調べて見ると、その昔鮫町地区は「沢」が訛って「さめ」になり、「鮫」という字を当てた説など諸説あるということだそう。しかし、この町も、イカ、サバ、イワシなどの水揚げが好調な時代は活気があったというが、寂れた駅前が、何とも時の経過を表している様である。
今回の取材校の八戸高等特別支援学校については、少子化時代の廃校(閉校)活用に一石を投じる転用改修事例として、来年の月刊「スクールアメニティ」2月号、3月号に掲載を予定している。
【兵庫県立西神戸高等特別支援学校】
同校は、兵庫県内の47校、特別支援学校のうち、兵庫県下にある4校の特別高等支援学校の1つである。
同校に通学する生徒は、青森県立八戸高等特別支援学校と同様に、軽度の知的障がいのある生徒たちに「社会的なコミュニケーション能力、スムーズな会話が可能にする学習」、「身の回りや、職場のルールを守ることができ」、「社会で自立できる生徒の育成」などを目指している(岸 恵美校長談)とのことで、キャリア教育(職業教育)に力を注ぎ、校外での職場体験を積極的に実施していることである。
校内を見せてもらって第一に感動したのが、生徒が毎日清掃している校内の諸室、トイレなどを含め、隅々まで行き届く清潔な室内外である。
もう一つ大きな特色は、同校が神戸市(西区)の農業公園の中に設置されていることであろう。この公園では、野菜など農産物の他、ぶどう畑からの神戸ブランドのワインを生産をしているとのこと。また、コロナ感染でここ数年は開催していないというが、「新酒まつり」も開催して、農業公園で行うイベントにも高等特別支援学校の生徒も参加しているとのこと。さらに同校では、綿花の生産をして、播州織物のトートバックなどの製品も製作して販売(通販も含む)しているとのことで、男子生徒が主に製作した播州織のトートバックは見事な作品であった。
同校についても、来年の月刊「スクールアメニティ」2月号、3月号に掲載を予定している。
過去のスクールニュース → http://www.schoolnews.jp/category/schoolnews/
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