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Posted on 2022年4月26火 in スクールニュース

スクールニュース vol.635

 

月刊スクールアメニティ編集部 特別支援学校の教室不足が蔓延

特別支援学校、全国で不足している教室は3,740教室であることが、文部科学省調査で分かった。
全国に1,096校ある公立の特別支援学校(休校中は除く)では、在籍する児童生徒が増加したことで、2021年10月時点で不足している教室数が3,740教室であった。この不足数は、1,096校の公立特別支援学校を対象に、授業に支障が生じ整備が必要とする教室数と、今後の在籍者の増加を見込んで、整備を望んでいる教室数を教室不足としている。
特別支援学校に在籍する児童生徒は、今年度現在で、146,300人、10年前から約16%増加している。特別支援学校児童生徒数の1クラス(学級)当たりの児童生徒数は、小中学部の1クラスが6人以下、重複障害がある場合は3人以下とされている。従って、保護者からは、少数による手厚い指導への評価、期待などでも、特別支援学校を選択することが多くなってきたといえる。こうした特別支援学校の教室不足による学校の過大、過密化は、障害をもつ児童生徒の学ぶ権利を侵害していると云っても過言にはならないと考える。例えば、普通教室ではない特別教室などをカーテンで仕切って、別々のクラスとして使用する急場の対応もあるとのことである。
特別支援学校の児童生徒は、大多数が知的障害を持っている。そのため音や視覚からの刺激や影響をうけやすいものである。簡易なカーテンなどによる応急措置では決して良好な学習環境とは言えない。文部科学省もこうした状況に、手をこまねいているのではなく、昨年、特別支援学校の設置基準をはじめて策定した。文部科学省も既存施設についての改修補助率も、2020~2024年度改修に取り組む場合は、1/3から1/2へ嵩上げして対応しているが、抜本的な教室不足の解決となるか疑問である。今まさに、障害のある子ども達とそれ以外の子ども達を隔てて教育することの教育概念を覆し、いわゆる「インクルーシブ教育」理念を、文部科学省も提唱しているのであるから推進が必要であろう。
ちなみに、調査によれば不足数が最も多かったのは、大阪府528教室。東京都514教室、千葉県220教室、埼玉県191教室と続き、当然都市部の不足が目立つ。

月刊スクールアメニティでは、毎号連続して特別支援学校を取り上げ掲載している。
参考資料として役立つことを願う。

 

 

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