スクールニュース Vol.653
上智大学四谷キャンパス15号館が完成
地域にも開くサステナブルなランドマーク、木造3階建て校舎
2022年6月29日(水)、上智大学は、四谷キャンパスに新たに完成した15号館の施設見学会を報道関係者向けに開催した。
四谷キャンパス東門そばに完成した15号館は木造3階建て校舎である。住友林業が、設計・施工を担当した耐火構造の校舎は、鉄筋コンクリート造と比べて15%、鉄骨造と比較すると20%、構造躯体の資材製造時のCO2排出量を削減。構造躯体に使用する木材は、111.85㎥、炭素固定量はおよそ84トンに上り、40年生のスギ約280本の炭素固定量に相当する。上智大学は、今回の15号館キャンパス整備について、SDGsの達成、脱炭素社会の実現に貢献するものと位置付けている。用途としては、地域開放も踏まえた施設活用を積極的に展開していく予定で、街の新しいサステナブルなシンボルとして、また、秋からは上智大学の社会人教育の拠点としての役割を担う。
15号館は、四ツ谷駅から麹町大通りを皇居方面へ歩くと、間もなく右手に見えてくる。聖イグナチオ教会、北門、四谷キャンパスのシンボルでもあるソフィアタワー(17階建て、2017年竣工)を過ぎ、東門手前の木で作られた格子状の外観が印象的な建物だ。1階は集いの場であり、一般の人々も利用可能なカフェが秋にオープンする予定。また、同施設は、上智大学として社会人教育の拠点、地域開放の拠点とも位置付けているため、1階部分に地域利用も想定した防災倉庫も備える。2階は、学びあう場。高さの異なる“くの字”の変形テーブルがレイアウトされ、一般教室とは違う講義もできる仕様となっている。3階は、語らいの場である。2階よりも、さらにリラックスして自由に論議を深めることのできる空間。
1階、2階、3階いずれにもウッドデッキのテラスが設けられており、特に、2階、3階のテラスは格子状の壁面から柔らかな光が差し込み、集う人達の居心地のよい交流空間になる場所だ。印象的な外観をつくっている外部格子は、サイズの異なる木材を使い、直線(理性)と直線(理性)が交わるクロスを木と鉄で一体化、面を形成。この外観は、フランシスコザビエルが志した「東洋と西洋の叡智の交流」、「伝統」、「多様性」、「相互協力」を表現し、都会の喧騒を切り離すとともに街のシンボルとなることが目指されている。
木造3階建ての構造には、耐力部材に通した高強度の鋼棒やワイヤーロープに引張力を与えることで、部材間の固定度を高めるポストテンション耐震技術を採用したことが大きな特徴だ。
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